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暗がりで足拍子、16歳

近所の子が来年高校生だと聞きました。
高校生か、いいな。と思っているのは大人だけ。
彼女は今、好きな子がいて勉強が手につかなくて苦しいらしい。
受験、恋愛、友達。いろんな選択をして、大人になるんだよなぁ。
くさつきは大人になる決定的な瞬間が誰にもある、と思っています。
それは覚悟の時だったり、避けようのない決断だったりします。
くさつきの瞬間は…そうだ。高校生のあの時だったか。


くさつき16歳。地元大阪のとある進学校の高校1年生。
今では考えられませんが、心も生活も優等生でした。今より
愛想笑いが上手で、「協調性」を大事にする普通の女の子でした。
そんなくさつきが決定的に変る瞬間。16歳の夏でした。

くさつきは当時、部活動の遠征費資金を稼がなければならず
アルバイトをしていました。普段は18時~22時、休みの日は
7時から16時までグランドホテルで働いていました。
そこにはいろいろな人が働きに来ていました。フリーターから主婦まで。
そこに彼もいたのです。

彼は23歳。プロボクサーを目指すフリーターでした。
最初は特に何も思わなかったんですが、一緒に仕事をすることが
多くなって仲良くなり、付き合いはじめました。

彼のうちに入り浸るくさつき。当時、少し家には帰りたく
ない日々が続いていた、というのも一つの原因でした。
彼の家は大阪梅田から阪急線にのって6駅目、関大前アパートの2階。
学校から帰って彼の家に行くのが楽しかったです。6駅が長くて長くて、
いつも早くつかないかなぁとドキドキしながら電車に乗っていました。
彼は当時口下手だったくさつきの話をちゃんと聞いてくれて、笑って
話をしてくれたはじめての人でした。

学校ではあまり話をしなくなりました。だって彼がわたしを支えて
くれるんだもの。初めて本音が出せる人がみつかった。
友達も家族も、どうでもいい。

でも、6ヶ月後。夏に差し掛かった頃に彼がよく塞ぎこむようになりました。
ジムから「プロの見込みはない」とはっきり言われたのです。
「将来が見えない」そうつぶやく日が増えました。
くさつきはどうやって慰めていいかわからず、彼の横で黙って座っていました。
収入が不安定だということ、3回就職して3回とも給料を騙し取られたこと、
「自分の学歴では一生こき使われるだけ」などなどを
悲観し始め、ノイローゼ状態になっていきました。

今のくさつきならグーでぶっ飛ばしてやれるんですけど…
(甘えんなー!働けー!とかいって。上野でまわし蹴りはだめ!)
当時まだお嬢さんだったのでそんなことできませんでした。


ある日、アパートに行くと彼がベランダの下を通る阪急電車を眺めています。
何か嫌な予感がしました。でも、「ごはん作る?」と
いって、ニコニコと愛想笑いをして彼に尽くしていました。
本当の意味で人の気持ちを汲むことのできない、愛想だけの
お嬢さんくさつきには、それが精一杯だったんです。
その内「お嫁さんになってくれないか」と毎日言われるようになりました。
高校卒業したら考えるよ。「今じゃダメ?」 この繰り返しです。
一方で「もう何も見えないから死んでやりなおしたい」とつぶやきます。

彼との生活は徐々に変わって行きました。
彼はニコニコしているだけのくさつきを疎ましく思ってきたのか
「苦労知らず」「世間知らず」などいろんなことを言ってくるように
なりました。扱いは徐々にきつくなります。でも、彼は優しいんだ、
きっと道が開ければ元に戻るとくさつきは自分に言い聞かせました。

ある日曜日。2人でスーパーに買い物に出かけ、アパートに帰る途中。
遮断機の前で電車通過を待っていました。遮断機があがった…いこう?
彼は動きません。どうしたの?
…動きません。まるで声が聞こえていないかのようです。手を握りました。
遮断機はまた降りました。かんかん・・・電車が通る時、握っている
彼の手のひらはびっしょりでした。

その日の夕方、彼はくさつきをベランダに出して、閉じ込めて
鍵をかけてしまいました。
出してー!と戸を叩きましたが、彼は知らん振りをしてTVを見ています。
(5年後なら鍵を壊してるかもしれませんが…)


…もし、今あの日のくさつきに話しかけられるなら。
この状態で、自分や彼を肯定するのは優しさじゃなくて弱さだよ。
でも、当時のくさつきはきっとこう言う。
「だって、彼が好きなんだもん」

そうなんだよね。あの頃のくさつきはどうにかしたくても、
自分では解決できない重い現実が見えてきた時期だった。
せめて攻撃されないように、巻き込まれないように愛想笑いして、
女子高生を楽しむ日々を必死に演技してた。
狭い心がいっぱいいっぱいだった(今ならそれくらいなんともないんだけど)。
そんな話をはじめてしたのは彼なんだよね。


彼のこと、私はどうしようもできない。
ベランダの洗濯機の上で泣きました。(←今はこういうのは絶対無い)
その日は小雨で寒かったなぁ。


この状況から約1週間後の8月26日。
優等生。暗がりを見ないふりをし続け、
演技して、弱さや本音を人の影に隠してきたくさつきが、
はじめて自分で自分を動かそうと決意。

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テーマ : 気付き・・・そして学び
ジャンル : 心と身体

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No title

なかなかハードな恋愛を経験してきたんですね・・
くさつきさんが、恋愛を通して人間的に成長した瞬間でしたね!!

大人になる瞬間って、私はいつだったんだろうなぁ

少なくとも、高校生じゃなく、もっと後だな~(~~)

こんにちは

misachiさん
こんにちは。訪問コメントありがとう^^

ハードなんでしょうかw でも人それぞれ
ハードな瞬間はあると思いますよ~。
成長とは反省が腹の底からできたとき。と
くさつきは学びました。反省したふり、なら
成長しないんですよねー。

大人になる瞬間、ぜひ思い出したらこっそり
教えてくださいww

くさつき
ようこそ くさつき帳
プロフィール

草月 愛弓

Author:草月 愛弓
草月愛弓(くさつきあゆみ)
Age:30
北海道江別市在住
職業:ライター(他にもいろいろ)
趣味:本、絵、まちあるき

基本は仕事大好き人間です。叱らずのびのび、育ててやってください。温厚に見えますが、仮面の下ぶちぎれ組。

※カテゴリに①②と数字のついているものは北海道探検を
している記事になります。 

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