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暗がりで足拍子②-1997年夏、早く大人になりたかった-

1997年、8月26日。
この日は文化祭の用意で登校する日でした。
彼の状態がひどいので、くさつきはアパートでじーっと
していました。もうずいぶん学校にいってないかも。
2年生に進級してから、欠席がふえたなぁ…

ベランダに閉じ込められた日、
彼はしばらくして泣きながら謝って
「俺がんばって働く。高校卒業するまでまつ」といいました。
次の日、彼は就職活動をするためのスーツを寝室に出して
いました。でも何日たっても彼はバイトにも行かず、ベッドから出ようとしない。
就職活動をしている様子もありませんでした。
しかたないので、くさつきも一緒にベッドで寝ていました。

夕方。
あー、もう夕暮れだな。帰らないと。
横には彼の寝顔がありました。男の人って体温高いなぁ…
気持ちいいんだよね。こうしてると。
でも、こんなことずっと続くんだろうか?
くさつきはベッドから彼のスーツを眺めていました。
このスーツ、きっと着ないんだろうな。 

・・・別れよう。突如そう思いました。
傷を埋めあうような関係つづけてもだめだ。でも、彼が
いなくなったら私、どうなるんだろう。
いいか、どうにもならないなんて今に始まったことじゃない。
それより、どんなことされても黙って笑っているわたしがもう嫌。
彼といると楽しいなんて、もう嘘だ。こんなに彼からもらった傷が…
嫌に決まってんだろ!

ぶちっ

うちに帰ろう。居場所がなくったって、嘘ついて彼と居続けるよりはいい。
あ、そうだ。出て行くにも制服がないんだ。
(黙って出て行くのを防ぐため、彼に隠されてました)
彼が寝ているうちに探さないと…。ゴソゴソ スカートない!どうしよう…
彼が起きちゃう。仕方ない。制服のブラウスだけ着て、下は彼のズボンを
はきました(ベルトすれば履けた)。
鞄…あ、ぺったんこだ。中身なんにも入ってない!捨てられたか…
定期と財布がテレビの上にある。帰れる!

うーんと、あとは…あ、起きちゃう!
玄関から出ようとしました。しかし…みなさん、覚えていますか?
90年代のアパートは、おもーい扉が多かったですよね。ガチャンとか
すごい音で閉まるあれです。これじゃあ、彼が起きちゃう…うーんと。
くさつきは、なんと台所の窓から出ました。靴の後がくっきりついちゃったけど…
ごめん。さようなら!(←この頃から飛び出し癖があったのか?)
でも、何分か後。また、窓から侵入するくさつきの姿がありました。

くさつき、お前は勝手だね。嫌なことから逃げて、人に頼って、
影に隠れて自分に火の粉がこないように必死になってる。
自分の立ち位置だけを心配して、傷か出来たら人に埋めてもらおうとしてる。
ちゃんと彼と向き合って、しっかりしろといってやればよかったんだ。
自分のことばっかり考えてそうしなかったんじゃないか。
人と向き合うのを避けて、自分も他人もいつも泥沼にしてきた。


彼は、まだ寝てる…。
鞄の中には…ノートもないか。全部捨てられてるんだもんね。
ゴミ袋開けたら絶対起きるな。…シャーペンが机の上にある。
くさつきは、彼のコタツ机に手紙を書きました。
自分の甘えと弱さも、この状況をつくった原因です。
ごめんなさい、別れてください。
(本当はもっと長かったけど忘れました)
彼から借りていた時計を机の上に置きました。

もう一度小さな窓から出ました。学校に行こう。体育のジャージがあるから、
それに着替えて家に帰ろう。
関大前の駅まで走って5分。彼が気づいて追いかけてきたらどうしよう。
早く、早く、電車早く!
乗っても安心できません。彼が乗っていたらどうしよう。
6駅、数えました。怖いのと、もう彼に会えないのと、そして自分が
これからいいわけしないで生きようと思ったことと気持ちはごちゃごちゃ
になって、泣きながら心の中で数えました。

誰もいない学校について、ジャージに着替えました。
そして彼のズボンを脱いで、紙袋に入れ帰りの公園で捨てました。
その時すごく世界の色が違って見えたんです。初めて、自分で
自分のことを反省し、自分で行動したからかも。(←でもずっと泣きっぱなし)
もうすぐ夜になるなぁ・・・。


もし、この日、16歳のくさつきに話しかけられるなら…
ちゃんと選択してよかったねぇ。いや、反省できてよかったね。
だけど、書いていて本当に嫌になるよ。なんて勝手でなんて無責任な
16歳の自分。彼がその後どうなったか知ってるかい?(←後で知る)

ところで、くさつきちゃんこれでがんばれると思ってるみたいだけど
もっとすごいことがこの後、いっぱい起こるから。
少なくともあと2年くらいはいいわけと独りよがりで孤独。
愛想笑いを止めたら、急にわらえなくなる。
腹の底から笑えるまで後何年もかかるよ。
ペンを握って文を書くまであと10年あるし。ずっと自分を探し続けるよ。

それでも、この日は草月愛弓になるまでの人生に
絶対必要な日だった。振り返って、反省して、腹の底から
声出して、やっと大人になろうとする。

高校生はいいわね~。
そうかな。あの時はあの時。精一杯生きてて苦しい時間もたくさんある。
当事者達には毎日が大人への選択の連続。 

そんな一面も予想しながら、彼・彼女ら
に接していってあげたいなと思います。
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テーマ : フリーで独身的な発想
ジャンル : 独身・フリー

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No title

いやいや、くさつきさん!
凄い経験だと思います。
ちょっと小説読んでるみたいな気持ちになっちゃいました。

それに、とっても読みやすい文章で、
ちょびっと感動。

自叙伝出して下さい!ぜひ!

こんばんは

引き込まれる文章感じ入るものが多々あります。

特に「腹の底から笑えるまで後何年もかかるよ。」との一言が心に残ります。

思えばそう自分に言い聞かせていた時代もあったなと

そうしないと自分を消滅させちゃいそうで・・・

今は守るべき家族がいるからあの頃より少しはつよくなっているのでしょうか?

少しは僕も成長しているのかな?

なんてね!

いやー、びっくり

草月 愛弓さん、こんばんは。

すごいですね。彼に監禁されるなんて。
アダルトチルドレンを思い出してしまいました。共依存っていうのかな。

良い子をするのも疲れますよね。
無理しないで頑張ってください。
色々書きましたが、間違ってたら御免なさい。

失礼しました。では。

No title

とてもヘヴィーな16歳です。

スカート隠されたり、カバンの中身を捨てられたり。

尋常じゃありませんね。
軟禁状態じゃありませんか。

無事に逃げ切れて良かった。

こんにちわ

初めてコメントいたします。
何かの決断の時、楽に決断できることばかりではありませんね。

私もまた、必死になってあがいたり、泣いたりしながら決断をしてきた
記憶があるにもかかわらず・・・

高校生っていいわね~って思っちゃったりしてます。
必死だったことを忘れてしまっているんですね><。

うーん、すごい。
これってものすごい成長ですよね。
そしてこれをこんな風に書ける能力。それもきっといろいろ経験してきたからこそできる心の整理法なんでしょうね。

自分がどんなにぬるま湯につかっていたか、よくわかります。
くさつきさんは、80℃の硫黄泉源泉で滝に打たれていたんですね。

台所の窓に格子がついていなくて良かったです。^^

こんにちは

misachi68、ぱぱさん、魚屋栄吉さん、龍姫さん、
あっちゅさん、nekomocaさん こんにちは
コメントありがとう^^

misachiさん>
懲りずに来てくれてありがとう^^
読みやすいといっていただければ、
こんなにうれしいことはありません。でも、これ
書くのに2時間かかりました。やっぱり思い出って整理するの
難しいですね。 自叙伝はかんべんしてください・・・^^;

ぱぱさん>
守るもの、大事なものが出来ると強くなるって言うのは
くさつきもそう思います。守るものがない、自分ひとりだと
思うとむちゃしちゃうんですよね。だから、ぱぱさんは家族が
いて「ぱぱ」という強さになったんじゃないかなぁ…と思います。
ムリに笑えない。自分を消滅させちゃいそう。これ、すごいよく
わかります。でも、それも必要な時期ってあるんじゃないかなぁ
と今のくさつきは少しだけ思っています。

魚屋さん>
こんにちは。芙蓉の話おもしろかったです^^
正確には監禁…ではないです。でも軟禁はいってますね。
毎日うちには帰っていたんですよー。この辺りを読者に
はっきり伝えられてない…ほど、これを書いたくさつきはまだ
自分を整理し切れてない…と思います。つたない文ですいません^^;

龍姫さん>
こんにちは。帰ってこれてよかったです。でもここで
しっかり自分をもっていないとだめなんだなというのを学びました。
ほんと、体験を自分の中で位置づけて経験になりますね^^;
ただ逃げ帰るだけじゃダメで、くさつきには反省が必要だったんです。
暖かいコメントありがとう。うれしいです。

あっちゅさん>
はじめまして。あしあっとのコミュに参加してくれてありがとう^^
くさつきのクッキーはなぜか毎日消えてしまうので、あしあとが
残っていない時が多いそうです^^; 管理人なのに…
そうですね。必死だったことって覚えてるけど普段は思い出さないですね。
そんなもんかもしれないです。でもきっとみなさんいろんな形で
必死に大人になっていくんだなぁと思うんです。
コメントありがとう。これからもよろしくね。

nekomocaさん>
子どもパンは子どもは入ってないでしょう^^; 
本当にnekomocaさんのブログは「やられた感」がすごいです。
これを素でできるというのはもはや才能です。
ぬるま湯なんかじゃないですよー。ちなみに硫黄でもないです^^;
心の整理ですか。文章を書くようになってからやっとできるように
なりました^^ でも、自分の過去って言うのは整理しにくいですね。
あれもかけない、でも書かなければ伝わらない。そんな思いが交差して
これを書くのは結構力が要りました。たまにはこういうのを書くのも
いいのかな^^; でも、これくらい笑い飛ばせないとね^^
書く能力は誰にでもあります。それよりも、何を見せるかを
考える方に力を使っているかも…まだまだ草月はひよっこです。

くさつき
ようこそ くさつき帳
プロフィール

草月 愛弓

Author:草月 愛弓
草月愛弓(くさつきあゆみ)
Age:30
北海道江別市在住
職業:ライター(他にもいろいろ)
趣味:本、絵、まちあるき

基本は仕事大好き人間です。叱らずのびのび、育ててやってください。温厚に見えますが、仮面の下ぶちぎれ組。

※カテゴリに①②と数字のついているものは北海道探検を
している記事になります。 

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